介護技術への武術動作【寝返り①】

介護は腰痛を起こしやすく私もまた腰椎椎間板ヘルニアに悩まされました。


職業柄重度な方の立ち上がり介助や移乗、歩行練習を普段から訪問看護の中で行っています。


一度腰椎椎間板ヘルニアを発症すると椎間板の中身が出て吸収されるものの補充はされません。

従ってクッションが薄くなります。

椎間関節への負担が増えることになります。

腰痛は日常化していました。


八光流柔術を行うようになり暫くすると、肚が出来てきました。肚とは何かを説明するのは言葉では難しいものがありますが、型稽古や護身体操をする中で身につく体幹機能と言って良いでしょうか。


ともかく腰痛が普段は殆ど無くなりました。


流派に感謝してもしきれません。


そして、八光流の型の中にあるコツを用いるとリハビリや介護技術がとても楽になる事がわかりました。


今回は触り方です。


寝返りの介助をする場合に手で相手の肩と腰をよく触れ、回す方法を取ります。

上手い人と下手な人は触り方と動かし方で差が出ます。

上手い人は触り方がフワリとしていてピタッとしています。

つまり優しい、密着していると言えます。


相手が不快感を持つと反射的に抵抗されます。防御性収縮とも言われますが、これをいかに出さないかが大切です。


触れたら次は動かし方です。


小手先を使うなと武術では良く言われます。


つまり手を使うなということです。


ではどこを使うのか。


簡単なのは体幹です。


古武術介護でよく見かける方法は手を形作り小手先を使わないようにして体幹と上肢を繋げることで簡単に動かせる事をしています。


その形でなくても手を置いといて体幹をうまく使うと寝返り介助をする時の介助者の身体の負担が少なくなり、相手の負担や嫌悪感も少なくなるかもしれません。


今は介助者目線での話が主でした。


次回は介助を受ける方目線で寝返り動作を考えてみたいと思います。